あゝ、死に行く者達よ。 のバックアップ(No.2)


 
認証されました。報告書を表示します。

SCP-017-DIC 【あゝ、死に行く者達よ。】 危険度 イエロー レッド マゼンタ
特別収容プロトコル
現時点ではSCP-017-DICの収容に至っていないため、特別収容プロトコルを制定できません。
(以下、事案017-Aを参照してください。)
説明
SCP-017-DICは、アメリカのノースカロライナ州を中心に拡大する認識災害です。SCP-017-DICの影響を受ける、もしくはSCP-017-DICを認識することにより、被験者に幻覚を見せます。幻覚の内容は、被験者が第二次世界大戦の戦地にいて、周りの仲間が次々と殺害されて行くというものです。この幻覚を見ている際、被験者の全ての感覚が幻覚ではっきりと感じられるようになり、次第にこれが本当の事であると錯覚します。その間、被験者は3分ほど硬直状態に陥り、その後自らを制御出来なくなり幻覚の影響で被験者はいかなる場合においても自殺を試みようとします。この時点で、被験者又は外部の人物がSCP-017-DICの影響を無効化する事は不可能となります。被験者との対話を試みようとしましたが、それらも全て失敗したため、この場合には被験者を終了するか、自ら終了するかを待つ以外方法がないとされています。

2024年2月、SCP-017-DICは活動を完全に停止したため、危険度をイエローに変更しました。
 
事案017-A

2024年7月5日、上記の時期以降から異常性が完全に非活性化状態に陥ったSCP-017-DICは活動を再開し、影響範囲を拡大させました。ノースカロライナ州に手配されていた財団職員22名のうち、19名がSCP-017-DICの影響により死亡しました。現在、財団職員による調査でSCP-017-DICの影響範囲は世界全体の約6割である事が判明し、日本SCP-DIC財団は、最後の手段としてOMEGA-class WorldEnd scenarioを実行する事を決断しました。

これにより、全人類は滅亡しました。
 

補遺

以下は咲形博士による最後のメッセージです。
これを書いている頃には、世界のほとんどの人が自殺しているはずだろう、でも私はこの報告書を書き終える義務がある。少しでも時間があるうちに描き切りたい。
これを読んでいる私達へ
こちらの世界では、数ヶ月前から自殺が止まらない状態だった。外に出たら必ず誰かの死体がある。街は異臭が漂い、景観は数多くの死体で汚された。今私がいる世界には、私とこの世界の誰かしかいない。人がいないからニュースも見れないし、財団から情報も送られない。もう手出しができずに財団側はワールドエンドシナリオを実行しやがった。まぁどうせ人は残らないから良いんだけどな。
私は財団職員として、人類最後の人間として、別の次元にいる私に、つまりこのSCPがいない世界の私にこの報告書を送る。みんな、思ってもいない死を迎えて苦しかっただろう。でも私ももうすぐその時が来る。どうせ誰も残らないなら、次の誰かのために残してやってもいいんじゃないか。
最後に、我々財団は今日2024年9月18日をもって、完全に敗北を宣言する。
次の世界の私達、どうか財団を、この人類を...
 
 
失わせないでください。